お揃い銘仙

 11月に買った銘仙ですが。

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 この着物と同じものを、偶然ネット上で見つけました。コチラ

 だいぶ古いブログ記事なので、この方が手放して、それがうちに来たのかも?と一瞬思いましたが、掛け衿の柄の出方が違うので、ただ単にお揃いのようです。

 そんなことってあるのか、と思い、今度は意図的に探してみたら、また見つけました。これも同じ? これも柄の出方は違いますが。

 さらにこれも。洋服にリメイクされていますが、たぶん生地は同じ。

 黒地に赤白の水玉模様の銘仙なら他にもたくさん見つかりますが、水玉の大きさとか配列などからして、全く同じ生地と思われるのは、今のところこれくらい。

 しかし、洋服とは違い、着物の同柄ってレアなのに、こんなに同じものがホイホイ見つかるなんて、そんなことってあるんですねえ~! 面白い^^。


 銘仙は正絹でありながら、大量生産されて安価だったからこそ庶民に普及したそうなので、柄がかぶることもそう珍しくはないのかな。オーソドックスな柄だしね。

 生地幅が広く、繊維が弱っていないので、比較的新しい時代のものかな、とも思います。少なくとも戦後に作られたものでは。

 でもそれにしたって、どこかの産地から日本中に出荷された同じ柄の兄弟が、人の手から手に渡り、こうして画像とはいえネット上で出会うって、ドラマチック~!

 中古着物って、どこで生まれて、どういう経路を経てきたのか、そういうのを想像するのが楽しいんですよね。

 こんな経験が出来てよかった。娘用に買った着物ですが、ますますこの銘仙が好きになりました。




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祖母の箪笥

 久々に実家に行ってきました。祖母のたんすを処分するというので、掃除の手伝いに行きました。

 明治生まれの祖母が他界したのはもう18年も前。箪笥なんてもうとっくに処分したものと思っていました。

 母のほうは、タンスの存在には気付いていたものの、てっきり中はカラだと思っていたようです。葬式後、祖母の着物は全て、着物好きの人に譲ったつもりだったので。

 ところが、18年ぶりにタンスの扉を開けてみてビックリ。中はギッシリ、普段用の着物がまだたくさん残っていました。



 その中から、とりあえず二枚だけ貰って帰ってきました。

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 モダンな水玉の小紋。娘が「これならわたし、着たい!」と言うので持って帰ってきましたが、絽なので、来年の夏までおあずけ。

 一度も着た形跡がないところを見ると、祖母にはポップすぎて着る機会がなかったと見える。


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 ゴブラン織り(?)の着物。単衣ですが、分厚い生地なので、6月・9月に着る用ではないかも。

 他にも、フロッキープリント地(?)の着物とか、カーテン地みたいにどっしりとした織り模様の着物(いずれも単衣)など、着物の生地としてはビックリなのが他にも何枚かありました。

 いずれも着た形跡がなく、母も全く見た記憶がないと言う。おそらく斬新すぎて、着る機会がなかったのでしょう。

 祖母は和裁が出来る人だったので、どんな生地でも、ちょっとした思いつきで気軽に着物に仕立ててしまったのかも。・・・で、出来上がってみたら、「あら、こんなの着られないわ」となった(笑)。




 まったく着た形跡のない、奇天烈な着物が何枚もきれいなまま残っている一方で、気に入って着ていたと思われる無難な着物は状態が悪く、着られるような状態ではありませんでした。また古いものは布幅が狭く、裄も出ない。

 「母から娘へ、娘から孫へ。一枚の着物を世代から世代へと受け継ぐ

みたいなのに憧れていたんですが、現実にはけっこう難しいですね。雑誌か何かのキャッチコピーとしては美しいけれど、所詮衣服は消耗品で、気に入っているものほど、痛みが激しいから。

 まあ今回の場合、先に誰かが物色したあとの残り物で、その前だったらもしかして、もう少し選択肢が広かったかもしれませんが。


 今回貰ってきた二枚の着物は、いずれも祖母のタンスの中から出てきたものとはいえ、祖母自身が気に入って着ていたものではないので、「祖母の思い出を身にまとう」ことになるかどうかは微妙~。

 リサイクルの観点から、あるものを利用するのは良いことに違いありませんが、「世代を超えた絆」みたいなストーリー性には、残念ながら欠けるかな、と。

 ただ祖母が仕立てた着物ということで、メランコリックに「祖母の着物」と思って着ることにします(笑)。





 

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展示販売会の着物

 6日の着物ファッションショーでは展示販売もありました。

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販売ブースを10箇所回ってシールを集め、何か貰った~。これ何だろう? ナプキン留め??



 並んでいる商品は、けっこう夏着物・夏帯の反物が多かったです。「なんでこの時期に夏着物?」と思ったら、友達が「いま冬の素材見せられても、見る気しないでしょ」と言うので、「なるほど~」(笑)。


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 写真中央は最近流行のゴールデン・ムガ(インドの金色の絹糸)で作った生地に一面にスワトウ刺しゅうを施した豪華な着物です。外市(とのいち)という会社のブースで見ました。300万円也。この会社は、エキゾチックな刺しゅうの帯がたくさんあって、10社の中で一番好みでした。


 会場では紬は少数派でしたが、展示販売会では紬もけっこう扱われていました。特に牛首紬(うしくびつむぎ)。あちこちで見ました。ほとんど見たことなかったので、ラッキー~♪ でもなんでだろう?? 結城・大島と並んで3大紬とは聞くものの、中古ではほとんど出てこないのに。

 あと素敵だったのが、刺しゅうの訪問着。会場でも何人か着てらっしゃる方をお見かけしました。機械刺繍でしたが、やはり刺繍って説得力がありますね。とても素敵でした。



 値段に関しては、300万円というのがだいたいどこのブースにも一枚は目立つところにかかっていて、あと「帯とセットで60万円」と書いてあるのをよく見ました。



 うーんこれって・・・。60万円はともかく、セットというところに反応してしまった。

 なんとなく中国ツアーに行ったときのことを思い出してしまったんです。「これは滅多に出合えない稀少な逸品!」という玉の置物の説明をさんざきかされた挙句、「で、それ結局いくらなのよ?」と尋ねたところ、「今なら3つで8万円!」というので、数十人の日本人一同、一斉にどっと白けた経験を(笑)。

 それまでみんなちょっとは本気にしていた「稀少」という言葉が、一瞬で色あせた瞬間でした。「この価格の"自称稀少な高級品"をバナナの叩き売りのごとく抱き合わせで売るとは、さすが大陸!」と、そのおおらかさというか大雑把さにそのとき感心したのですが、どっこい、60万のものを抱き合わせで売る日本人がいたとは・・・。

 なんとなくわたしの感覚だと、セットになった途端、一流品も二流になりさがる気がするのですが、ひょっとして、この人たちの世界で60万円というのは、お手ごろ、お値打ち、叩き売り価格なんですかね。何か新鮮な驚きでした。




 会場は白白コーデが多かったものの、展示会で扱われている商品は意外と白っぽくなく、着物も帯も、全体的に濃くて渋い色調でした。生地は夏向きの生地が多かったけれど、色的にはやはり徐々に秋にシフトしてきているのかな?


 売られている着物と、着られている着物の主流テイストが違っているって面白いですね。今着られている着物は今の流行、売られている着物は次の流行を暗示している、ということでしょうか。


 ショーの着物、観客の着物、展示会の着物と、それぞれに違った傾向を味わえて、とても楽しかったです。



 やはり着物を見るのは好きだーーー!!





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観客の着物

 今日は、6日の着物ファッションショーで見た観客の着物について書きます。

 数的には出場者のほうが多かったと思いますが、観客も300、400人ほどいました。また、全体の傾向として、出場者よりも観客のほうが自由で、色も柄も華やかでした。


 出場者は今風のアスファルト系同色コーデ、特に白・白コーデが多かったですが、観客の白・白コーデ率はもう少し低く、いろいろな着物が見られました。


 電話で観覧の申し込みをした際、「どんな着物を着ていけばよろしいでしょうか」とお尋ねしたところ、「袷だろうが紬だろうが、着物でありさえすれば、何でも構いません」とのことでした。


 実際は、真夏とあってやはり薄物が多かった(特に絽)ですが、出場者も含め、薄物以外もけっこういて、帯も、夏物とは限りませんでした。

 小紋が一番多く、次が訪問着、三位が紬。でも判別つかない着物も多かったです。

 最近の訪問着は大人しいですね。柄が大人しいので、よーく見ないと、絵羽なんだか小紋なんだか判別つかない。いや、むしろ色無地の範疇かも??

 後染めの紬も増えているので、柔らかものか紬かの判別をつけるのも難しい。


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 たとえば上は、友達が着ていた着物。鮫小紋の地に雪輪模様がプラスされたものです。後染めですが、裾の裏を見ればお分かりのとおり、模様が裏にまで通っています。だからか、ちょっと見、先染めにも見えます。

 江戸小紋と考えれば色無地と同格、でも雪輪模様だから普通の小紋としても着られ、その上紬にも見えるからカジュアルにも着られる。持ってくる帯によって、何通りにも使えそう。

 こうしたTPOが広そうな着物を、今回たくさん見ることができました。

 わたしがいつも中古で見ているような昔の着物は、いかにも訪問着、いかにも紬、のように、区分けがはっきり分かり、着る場面を限定するものがほとんどですが、最近はたとえば、「色無地のような小紋のような、でも実は訪問着かも?」みたいな着物が増えているんですね~。そういえば帯でも、フレキシブルに使える洒落袋が増えていますものね。

 また、季節のTPOを飛び越える素材も増えているみたい。「薄物」と一口に言っても、その透け具合は千差万別だし。そもそも、透ける素材かどうかって、屋内ではよく分からないし、透けてないから暑苦しいってこともないな、と感じました。

 従来の枠組みを超える中間的な着物が増えてくるといいですね。少ない枚数をいろんな場面で着まわせそう。



 帯は絽綴れ、絽の洒落袋・なごや帯中心でした。

 半幅帯は珍しかったですが、サーモンピンク地の着物に、濃いピンクの半幅帯を華やかに結んでらっしゃるお若い方がいらして、とても素敵でした。

 結び方はほとんどの方が二重太鼓でしたが、銀座結びも2割くらい見ました。お太鼓より銀座結びのほうが、ラフな感じに見えますね。

 最近の着物は柄がはっきりしていないので、帯の選び方・結び方次第で、いろんな場面に対応できそう。


 他に、素敵だな、と思ったコーデや帯・小物いくつかメモっておきます。


 訪問着と洒落袋が同じ柄。クリーム色の地にターコイズで鳥の柄を染め抜いていました。生地は着物と帯で素材が違いますが、意図的に作られたセットだと思います。すごく贅沢な感じ! 帯と着物はそれぞれ個別でも使えそう。

 琉球絣の着物に紅型のなごや帯。沖縄の方なのかな?

 一面に黒いバラの縁取り刺繍が施してある、こげ茶色の風通紗。

 お太鼓柄が、コップに注がれたビール。季節限定柄が意外に少なかった中、これはとても涼しげな絽綴れで、素敵でした。 

 お太鼓柄が、天女。薄絹が長く垂れている柄が印象的でした。

 ビーズの半襟。これはけっこうよく見かけました。ビーズが邪魔して布が首につかないので涼しく、汚れないそうです。


 ほかにももっともっと素敵な着物をたーくさん見たはずなんだけど・・・うー、覚えてない;;




 羽織を羽織ってらっしゃる方も少数ですが、おみかけしました。素材は、紗・絽・レース。ショーでも紗羽織をプラスしたコーデがありました。

 ショー会場は寒かったので、わたしも絽羽織を羽織っていました。ショー会場を出たところは寒くなかったので脱ぎましたから、防寒用にショー会場で羽織を着ていた人は他にもいたかも。会場は暗かったのでよく分からなかったけれど。




 全体として、アスファルト色、白・白コーデが主流なものの、「こうでなければならぬ」という雰囲気はありませんでした。

 あ、でも見なかったものもあります。たまたまかもしれませんが、いちおうリストアップしておこう。


 ・見なかったものリスト・

  銘仙などアンティーク着物

  小千谷紬など麻着物

  綿や麻の浴衣(絹紅梅はいました)

  留袖

  ウールなど、明らかな冬物

  オレンジやグリーンなど原色のなごや帯

  金糸銀糸の有職文様の綴れ帯

  柄足袋

  下駄




 これだけ大勢の着物姿(しかも大半が夏着物!)を見ると、いろいろなことが分かりますね。一日でものすごーく着物経験値が上がった気がします。

 やっぱり着物姿を実際に間近でたくさん見るって大事だなあ~。



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ショーで見た着物

 先日のファッションショーで出場者の着物について感じた印象を書きます。


1.アスファルト色が多い

 この「アスファルト色」という表現は、同じファッションショーについてのきもののカンタービレの昨年の記事に出てきたもの。だから多いことを最初から期待していましたが、期待以上でした。

 アスファルト色というのはたぶん、わたしの認識でいえば、都会に紛れる無彩色(過去記事参照)。といっても、はっきりとした「白」とか「黒」ではなく、ごく白に近いグレーや、ごく黒に近いグレー、つまり柔らかい感じの白や黒かな、と思っています。

 特に、白っぽい着物が多かった。観客はそうでもありませんでしたが、出場者の方の約半数は、無地に近い大人しい柄の白っぽい着物。次いで黒に近い色。この二色だけで3分の2を軽く超えていたと思います。

 次いで、ごく薄いパープルグレー、ごく薄いブルーグレー。わたしもブルーグレーの着物を着ていきましたが、わたしの着物はこの会場の中ではずいぶんと能天気。もっと渋い色が主流のようでした。

 また、時節柄か、暖色系はごくごくわずか。たまに臙脂色の着物を着ていらっしゃる方がいると、とても映えました。

 白っぽい着物が多いのは、夏だからでしょうか。あと友達によれば、例年のグランプリ獲得者に白い着物が多かったとのことです。だからなのかな?

 これでも「今日は意外に色物を着ている人が多いわね」と言うのですから、いつもはどんだけ白が多いのーー?


2.白・白コーデ、黒・黒コーデ
 
 着物がアスファルト色なら、帯もアスファルト色が主流でした。特に白い帯。ほとんどの方が白い帯でした。

 特に印象的だったのが、白っぽい着物に白っぽい帯、黒っぽい着物に黒っぽい帯、つまり帯と着物を同色でまとめている例が多かったこと。これは新鮮でした。そういう着こなしは今まで見たことがなかったので。

 アスファルト化が極まると「白っぽい着物に黒っぽい帯」「黒っぽい着物に白っぽい帯」の二者択一しかなく、帯で遊べないのでは?というのが前々から疑問だったのですが、そんな心配は無用であった。「白に白」「黒に黒」も「アリ」なんですね。

 出場者の約半数が白っぽい色の着物、そのうちの半数は、帯も白。そのまた半数は、帯揚げ・帯締めも白。つまり全身、真っ白。きっと近くで見れば、微妙に柄があったり、もしかしたら小物には少し薄い色がかかっているのかもしれませんが、遠目だと全身真っ白に見える。

 他にも、何色にせよ、帯と着物が同色、というのが多かったです。「同系色」ではなく、ほぼ「同色」。グレーパープルやブルーグレーでも、ほぼ同じ明度・色相の色で全身をまとめている例をたくさん見ました。


 なんとなく着物というと、着物と帯の色、帯と小物の色はなるべく変えてアクセントにする、それが着物の色使いだと思っていたのですが、そんなコーデもアリなんなんだー。

 以前、藍染の着物に紺の帯というのをやって失敗したと思っていましたが、それもアリだったんだー?? 同色がアリなら、帯と着物のコーデの幅が広がりますね^^。


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3.年齢によるコーディネートの違い

 ショーは年齢別に4つの部門に分かれており、年齢による容姿の差より、着物の傾向の違いが顕著でした。

 若い部門(プリンセス部門 推定年齢30代)は白・白コーデが非常に多かった。でも年齢層が上がるにつれ、白・白コーデは減っていき、一番年齢層の高い部門ではほとんど見当たりませんでした。

 若いほど流行が大事、年齢層が上がるにつれて個性を大事にする人が増える、ってことかな? それとも、年齢が上がるにつれ、昔誂えた着物をたくさん持っている、ということかな? 年齢が上の部門ほど、今風のアスファルト色が少なかったです。

 特に一番高い年齢層の部門(グランドクイーン部門 たぶん60代以上?)では比較的濃い目の色が多く、色のバリエーションに富んでいました。柄も比較的はっきりしていて、全体的にダークトーンではあるけれど、同系色でまとめてはおらず、まして同じ色で全身をまとめるコーデはほとんど見られませんでした。

 ミドルクイーン部門(50代くらい?)では、白・白コーデに華やかな柄のストールをあわせている方を見ました。これもお若い人の白・白コーデとは意味合いが違いますね。着物と帯を白いカンバスに見立て、ストールを見せる戦略だと思います。これは面白いと思いました。


 普通のファッションショーだと、これから流行らせたいと業界が狙うものがショーの中心となりますが、こういう、一般の方がご自分の手持ちの着物を着るタイプのファッションショーだと、今の流行がわかって面白いですね。

 最初のほうはとにかく白・白コーデばかりで、さすがにちょっと食傷気味、もう少し明るい色味も見たかった気がしますが、この極端な傾向は、たぶん夏だから、というのもあるのでしょう。



 友達の話では、このファッションショーは以前は冬に開催されていたそうです。ここ数年は夏の開催が続いているそうですが、いろんな着物を見たいので、別の季節にも開催ないかな、そしたら是非また行きたいな、と思いました。
 


 


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うさぎ

Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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