御召の裄直し

 御召の裄を出しました。裄直しもこれでもう6回目です。

 「御召(お召)」とは何か。ウィキペディアによれば、

主として和服に用いられる絹織物の一種。羽二重などとともに最高級の素材として、略礼装・洒落着に好まれる。経済産業省指定伝統的工芸品。


だそうです。

 また、きもの*BASICルール「御召のきもの」によれば、御召と呼ばれる反物の条件は以下の3点。

(1)まず織る前に糸を染めた先染めであること
(2)緯糸に「御召緯(おめしぬき)」という1メートルに2500~3000回転をかけた強撚糸を使用すること
(3)同じ回転数の右撚りと左撚りの御召緯を交互に同数ずつ織っていること



 これを読んでも、実際に見ないことには、結局どんな生地なのか想像するのは難しい。お召に関する記載は、古い本ではよく見ますが、現在ではほとんど織られていないようで、呉服屋の店頭でも滅多に見ないし、わたしにとっては幻の生地。一体どんな感じなのか、一度体験してみたいと思っていました。

 中古市場にはそこそこ出回ってはいるものの、古いものが多いので、状態がよく、現代的な寸法のものが少ない。でもしばらく探していたら、運よくオークションで手ごろな品物を見つけました。

 召の産地として有名なのは西陣、十日町、塩沢などですが、これは西陣御召。洗い張りを経て仕立て直し後、しつけがついたまま未着用のきれいな状態。丈は短めなものの、なんとかおはしょりをとって着られる長さ。何より肩に十分な縫い込みがあり、裄が出せるのが気に入りました。

 届いてみると、やわらかものとも紬とも違う手触り。なんていうか、シャリシャリ、シャッキリ。今まで抱いていた絹のイメージとはだいぶ違い、さりとてウールとも木綿ともポリエステルとも違う。全く初めて経験する手触りでした。

Img_0188.jpg
生地表面。チリチリ・ショリショリした質感。

 また、驚いたのは、裏地が木綿だったこと。八掛けも正絹ではなく、綿混、もしくはウール混のような気がします。御召にはそれが普通なのか、たまたまなのかはわかりませんが。



 さて「裄だし」。前述の「きもの*BASICルール」によれば、御召の仕立ては難しいそうで、しかも極端に水に弱いそうなので、裄だし、筋消しは冒険でした。でも幸い取得コストが安かったので、万一失敗したら勉強代だと思うことにし、思い切って挑戦してみました。


 結果的には、まあ、普通に仕上がりましたかね。多少の難はありますが、それは今までの裄だしだって同じこと。着られる状態に仕上がりました。

 時間もかかりませんでした。3時間かからなかった。両袖で3時間というのは、実は今までで最短^^。足りない裏地に足し布をしたりもしたのに。とにかく木綿の裏地が扱いやすかった。それが勝因だと思います。



 ただ今回もいろいろ反省はありました。

1.作業途中のまま数日グシャグシャに丸めて放置したら、シワだらけになってしまった(自業自得)。

2.当て布をしたにもかかわらず、アイロンをかけたら袖付けの止めの部分がテカってしまった。



 アイロンでシワを延ばそうとすると、またテカらせそうで怖いので、しばらくハンガーに吊るしておこうっと^^。



 さてさて、着用感は?

Img_0194.jpg
マイサイズの袖。長襦袢もピッタリ。
手をかけた甲斐があった^^。

 触った感じはシャリシャリですが、着てみると意外と柔らかく、体に馴染みます。あと、何かヒンヤリして涼しい気が・・・?

 やわらかものより気楽で、紬よりもちゃんとした感があるので、TPOが広そう。それに汚れが目立たない色なので、気兼ねなく着られそうです。




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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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