「はじめての私の着物」 河村一子

 河村一子著「はじめての私の着物」を読みました。

はじめての私の着物
はじめての私の着物

(2003/12/18)
河村 一子



 一言で言うと、この本は「感じの良い本」です。とにかく感じがいい。いろんな意味で。

 まず、カラーページが多い。ほとんどがカラーページで、かわいいイラスト満載、写真も満載! だから見ていて楽しいです。

 本の作りも良い。紙の質とか、文字の大きさ、文字とイラスト、写真のバランス、余白の量も良い。A5版という本の大きさも大きすぎず小さすぎず、手にとりやすい。表紙のセンスも良い。全体として、丁寧に作られた感じのする、可愛らしい、愛しい本です。

 そしてなんといっても、内容も感じが良い。なんていうか、上から目線じゃないんです。著者は、ちょっと前まできもの初心者だった方。2002年夏に着物にハマり、この本が出版されたのが2003年ですから、執筆にかかった時間を考えると、きもの歴は1年あるかないか。初心者にとっては、「半歩先を行く先輩」。だからものすごく共感できる。

 きものに対する初心者ならではの高揚感、新鮮さ、うきうきした気分、同時に、困ったり迷ったり不安だったりが描かれていて、「そうそう! そうなの~!」と思うことばかり。著者は当時まだ20代だったようですが、きもの初心者の気分に年齢差ってあまりないんですねえ。

 著者がどう障害をクリアしていったかもちゃんと書いてあり、「へええ~!」と思うことしきりでした。着付けのやり方、畳み方、半襟のつけ方、帯の締め方、あまつさえ昼夜帯の作り方やきものの洗い方、染物のやり方まで書いてある。分厚い本でもないのに、情報量は多い。

 但し、著者はその筋のプロではないので、あくまで素人体験ではあります。でもだからこそ、真似しやすい。



 人によっては、「どうせ読むなら、もっと権威のある、呉服屋の女将とか着付けの大御所とかが書いた本のほうが信頼できる」と思われるかもしれません。確かにそれも分かる。わたしも「寄らば大樹の陰」志向なので、とりあえず「着物のプロ」をお手本にして、権威に守られている安心を得たい、っていうのはあります。

 でもねー、わたしもそういうプロが書いた本、これまで何十冊も読んできたんですが、意外と書いてあること、本によって違うんですよ。「やり方が違う」なんてかわいいもんじゃない。真っ向から対立する記述に出くわすこともよくあります。

 「この人を師匠」と決め、一冊の本を後生大事に繰り返し読み、他には目をくれない。そういうのもアリだと思う。他の誰に何を言われても迷わなくて済むから。

 でもわたしみたいに移り気なヤツは、一人の先生のご指導では満足できず、いろんな本を読んでしまうから始末に負えない。いろいろ読みすぎて、何が何やら分からなくなってしまうんです。何を信じればいいのか、どこが落としどころか。

 だから、こういう「半歩先を行く先輩」がいてくれると助かります。



 ・・・というわけで、買っちゃいました^^。

 10年前に発行された本なので、若干情報が古い。たとえば紹介されているウェブサイトの多くが閉鎖されてしまっているのが残念ですが、その分、中古本を安く買ったから、ソンした気はしません。

 きもの本って、数年で絶版という本が意外に多いのですが、この本は10年前の本にもかかわらず、まだ新品でも買えるし、中古もたくさん出回っていて、こなれた値段で買えます。たぶん、けっこう売れたのでしょう。amazonの書評も、なんと11も入っています。人気があるんだなー、と思います。


関連記事
スポンサーサイト

テーマ : きもの キモノ 着物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

うさぎ

Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ