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「帯どめBOOK」 神田千鶴子

 帯留めの写真集を図書館で借りました。

帯どめBOOK  四季のコーディネートを愉しむ
帯どめBOOK 四季のコーディネートを愉しむ

(2008/10/10)
神田 千鶴子

 帯留めコレクションの本というから、きっと人間国宝やら、誰それ作やら、スノッブな本なのだろうと思いきや、全く違いました。

 たしかに著者お手持ちの帯留めコレクションを紹介する内容なのです。でも「逸品」「名品」「銘品」の紹介ではなく、帯留め、ひいては着物の楽しみが伝わってくる本でした。

 ここに収められているのは、蒐集欲、所有欲を満たすための帯留めではなく、帯に留めて使って楽しむための帯留め。その証拠に、帯留めのみならず、その帯留めをつけた着物姿も多数収録されています。

 また、この本に納められている帯留めは、必ずしも高価ではなさそう。貝殻で作った手作りの帯留めもあるし、たまに「作家物」と書かれているものがあるものの、誰それ作などとはかかれていません。

 でもその写真の美しいこと! それを逸品と思うかどうかは、見る人がそれぞれ決めればいいこと。それより何より、一つ一つの帯留めが雄弁に、季節やシチュエーションを語りかけてくる。それが素敵だと思いました。

 また、著者のエッセイがいいです。きもの初心者への道しるべやヒントになるものもあります。たとえば「テーマカラーをお守りにして冒険を(p.31)」「きものを着ていく場がないと悩んでいらっしゃる方へ(p.45)」「きものの癖を読む(p.140)」など。上から目線ではなので、一歩先を行く先輩の助言として、素直に読めました。

 特に、わたしが一番いいなと思ったのは、「和文化のブーム」の以下の箇所です(p.13)。

 日本は鎖国していた時期があったとはいえ、正倉院の宝物などからもわかりますように、シルクロードを通じて世界中の文化の影響を受けています。だからでしょうか、和文化に触れれば触れるほど、この更紗文様はインドからはるばる海を渡ってやってきたのかしら、この文様はペルシャからかしらと、興味がわき、世界に目が向かうように思います。

 そういった視点で考えますと、結局のところ和文化とは、世界中の宝物のなかから日本人の完成が素晴らしいと認めたもの、選び抜いたもの、日本の風土で生き生きと輝くものを指すのではないかと思います。


 本当にそうだな、と思いました。日本の文化はもともと日本にあったものだけで構成されているのではなく、案外、世界各地の影響が強く織り込まれていると、帯の文様などを見ていると気付きます。

 日本人が外国かぶれなのは、今始まったことではないんですねえ、きっと。大昔から、日本人は舶来の文物が大好きで、その中から、気に入ったものだけ選び、ちゃっかり取り入れてきた。

 わたしも子どもの頃から、さんざ外国にかぶれ、突然着物なんか着始めたと思ったら、最近は、また着物を通じて外国の文化に還ろうとしている自分を感じます。結局、どこまで行っても外国かぶれなのです。着物を着ていても。そして、そんな自分が気に入っているのです。


 話はそれましたが、この本のいいところは、帯留めという「モノ」を通して、その「モノ」の魅力に留まらず、そこを出発点に、世界が広がっている感じがするところです。ディープではない。むしろ、広いのです。入り口も広ければ、出口も広い。読者を選ばず、そしてその読者の世界を、ほんの少し広げてくれる。そんなところが気に入っています。

 ちょっと高価(3000円弱)な本なので、手元に置くのは少し贅沢ですが、もし図書館などで見かけたら、手にとってみてください。小さめの本に、ギュッと楽しさが詰まっていること請け合いです^^。



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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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