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禁止? 許可? 羽織ルールの謎

 最近とみに暖かくなってきました。エアコン暖房はとっくに卒業、ファンヒーターもここ2週間ほどつけていません。まだ寒い日もありますが、コタツも布団をそろそろしまって、ただの座卓にしようかな?

 半袖でもいいかな?と思う日すらあります。着物も、大好きだったウールがなんとなく煩わしく感じられるようになり、そんな自分を嬉しく感じています。季節の移り変わりが肌で感じられるようになったんだな、って。

 そういうことが自分の体で分かるようになりたくて、「一年間、着物を着続ける」って決めたんですもの。これは一つの成果だな、と感じます。



 こんな言葉があります。

羽織は、紅葉が色づきはじめた頃に着て、桜は咲き始めた頃に脱ぐ



 冬のさなかにこの言葉を知ったときは、ショックでした。桜が咲き始めたら、羽織を脱がなくちゃいけないの?って。

 わたし、羽織って大好きなんです。理由のひとつは、寒がりで冷え性だからです。体を冷やすと、とたんに体調がガラガラと音をたてて崩壊する。温度調節の苦手な体に生まれついてしまったので、温度調節は衣類で行うしかなく、洋装のときもカーディガンが手放せません。

 あともう一つ、帯が見えるとなんだか恥ずかしい、っていうのもあります。子どもの頃、帯付きで歩いている人を見かけることが少なかったからでしょうか。帯を見せて歩くことに、何か違和感がある。また、自信のない帯結びを羽織で隠したい、っていうのもあります。

 そんなこんなで、羽織を着ていると安心。羽織は、寒さからも人の目からも、わたしを守ってくれる、お守りアイテムなんです。



 ところが不思議なもので、桜が咲き始めた頃から、わたしも羽織を脱ぎたくなりました。暑くって。着物ってあったかいんですねえ。4月に入ったら、もう羽織はいらない、というか、むしろ、暑くて着る気になれなくなりました。先日はとうとう、すぐ出せるようにしておいた羽織類を、一まとめにしてしまってしまいました。



 ところが皮肉なことに、街ではまだ羽織を着ている人が意外と多い。着物姿の約半数は、4月に入っても羽織を着ている。

 あららら、これはどういうこと?と思っていたら先日、着物の上にショールだけ羽織って行った着物屋さんで、こう言われました。

そろそろ帯付きでもいい気候になりましたね



 「帯付きでもいい」?!!

 ここではじめて上の言葉の意味が分かりました。

 「羽織は、紅葉が色づきはじめた頃に着て、桜は咲き始めた頃に脱ぐ」、これは、「着てはいけない」という禁止、あるいは「脱がなくちゃいけない」という命令ではなくて、「脱いでもいいよ」という許可なのではないか、と。「桜は咲き始めたら、帯付きで歩いてもいいよ」という。

 同様にして、「紅葉が色づきはじめた頃に着て」というのも、「紅葉が色づきはじめるまでは着ちゃいけない」と言う禁止ではなく、「紅葉が色づきはじめる頃になると、そろそろ羽織が着たくなるんじゃあない?」という、目安なのではないかと。

 「7月・8月は羽織を着ません」という文言もよく見ます。もっとはっきり、着ちゃいけないと書かれている場合もある。でも秋月洋子著「おでかけ着物コーディネート帖」には夏羽織を合わせた八月のコーディネート例が掲載されているし(p.44)、実際はこれも「着ちゃいけない」ではなく、「着なくてもいいよ=帯付きでもいいよ」ってことでは・・・?
 
 結局どちらの解釈が正しいのかは調べてもわからないし、たとえ「着なくてもいいよ」が正解だったとしても、「着ちゃいけない」と受け取る人が多ければ、それがルールになってしまう。

 でも少なくとも、わたしは「着てもいい」と思うことにしました。なぜって、真夏は冷房があるんだもの。何か羽織らなかったら寒いでしょう。冬の寒さ以上に、わたしの体を蝕むのは、夏の冷房なんです。何が何でも、冷房の冷気から体を守らなくっちゃ。

 洋服でも、夏に長袖のカーディガンを持たずに外出することは決してないので、和装でも同様に、寒いと思ったら夏羽織を羽織ろう、と思いました。




 「これやっちゃダメなの? こんなことしたらヘンかしら?」

 いろんな言葉にビクビクしながら歩いてきた、この4、5ヶ月。着物を着ない人、或いはすっかり着慣れてしまった人から見れば馬鹿みたいな悩みかもしれませんが、初心者にとっては、そういうことが大問題。理由なんか分からなくても、そういうもんだと思って、人の言うこと、本に書いてあることには、とりあえず従っておこう、というのがこれまでのスタンスでした。

 わたしにとって着物の世界は初体験。初めて日本にやってきた外国人が、靴のまま、よその家に上がってしまうような、決定的な間違いをしでかさないとも限らないからです。

 でも、本や人によって、かなり言うことが違い、戸惑うことの多い日々。「これはこう」と人が自信満々に断言することは必ずしも正しいとは限らず、よし間違いではなかったとしても、一般的な「きまりごと」のレベルではなく、単にある一派の「流儀」に過ぎない場合も多い。

 だからそろそろ軌道修正していこうかな、と思っています。少しずつ、自分自身で選んでいかないと。

 それと同時に、この初心者の辛さを、いつになっても忘れない。この熱さをのど元過ぎても忘れないよう、ここに書いておきます。




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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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