数珠つなぎ

 数年前、20数年ぶりに開かれたサークルの同窓会に、友達が一人、着物を着てきました。りんとした姿勢、すっきりとした着こなし。自然なしぐさ。ずっと会わないでいた数十年、彼女はきっと折に触れ、着物を着るよう心がけてきたんだろうな、と思いました。

 それは私たちへの思いがけないプレゼントでもありました。なぜなら学生時代を思い出させてくれたからです。思えば彼女、学生時代からときどき着物を着ていました。大学の近くに着物専門のアンティークショップが何軒かあったせいでしょうか、彼女に限らず、仲間に着物好きが多かったので、文化祭のときなどみんなで一斉に着物を着ました。

 そういえばわたしもみんなの真似をして母に着付けてもらい、何度か着たことあったっけ。でもわたしのはほんとにただの「真似っこ」、単発のイベントにすぎず、何しろ自分では着られないものだから、学校を卒業したあとは、それっきりでした。

 就職した会社で着付け教室が開催され、10回くらいの講座に通ったこともあります。浴衣から振袖の着方まで一通り習いました。でも家で全く練習せず、お稽古のときしか着ないものだから、身につかずに終わりました。ここで買った特殊な道具が今もいくつか家にありますが、どこでどう使うものやら、全く覚えていません。


 着物に関するこうした断片的な体験は、探せばほかにもいくつかあるでしょう。でもどれも一過性の気まぐれに終わってしまいました。着る頻度が低すぎて、生活の中に全く根付きませんでした。



 それに比べると、今回は少し、次に繋がる体験になったかな、と思います。約一ヶ月間、半幅帯に絞って毎日着付けの練習をし、正月に着て外出した経験は、一応完結したストーリーになっていて、もしそこでやめたとしても、いちおう一つ、形になったと思います。

 正月以降も着付けの練習は続けていて、着物姿でスペイン語のオンラインレッスンを受けたりしています。「後姿も見せて」といわれて、パソコンの前でクルッと一回り(笑)。

 そして今日、また新たなお披露目の場が。今回は正月とはコーディネイトを少し変えて、先日届いた半幅帯を締めていこうと思います。帯の締め方も変えて。今度は帯留めを使ってみようかな。



 こうした小さな体験を数珠繋ぎにしていくと、今度こそ、着物というものが暮らしの中に縫いこまれていくかもしれないと思います。




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うさぎ

Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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