「きものと帯の組み合わせ」 笹島寿美

 何度も図書館で借りては、買おうかどうしようか、ずっと迷っている本です。

きものと帯の組み合わせ (家庭画報特選―きものサロンMOOK)
きものと帯の組み合わせ

(2004/11/01)
笹島寿美


 すごいボリュームの本です。とにかく着物姿がた~っくさん! 「組み合わせ」とはこれまたずいぶんと古風且つオーソドックスな言い回しですが、要は今風に言えばコーディネートの本で、TPOに即し、季節に即し、年齢に即し、体型に即し、ありとあらゆる観点に即したきもの+帯+小物のコーディネート例がたくさん載っています。

 さすがにこれだけ写真があると、たとえ文章を全く読まなかったとしても、写真だけ見ていたって、何がツボなのか、おおよそ分かります。実例をたくさん見ることで、おのずと見えてくるものがある。量って偉大ですねえ。


 だから、この本がいい本なのはもう分かっています。ボリュームに比して、値段もそんなに高くない、コスパフォなことも。

 なのになぜ購入を迷うかというと、なんとなく、この本を買ってしまったら最後、一生着物を着続けなくてはならない、そんな気がするからです。

 たぶんそれは、この本が、一生使えそうな本だからだと思います。年をとっても大丈夫。60代までの着こなしが載っているから。今後、痩せても太っても大丈夫。体型に応じたコーディネートが載っているから。もし何かお稽古を始めたら? 結婚式に呼ばれたら? 観劇に誘われたら? ・・・大丈夫。それぞれの場面に合う着こなしのポイントがちゃんと載っているから。


 でもわたしにはまだ、一生着物を着続ける覚悟がない。

 いままでさんざ着物を買ってきて、いまさら何を言うか、って感じですが。でもなぜか、たかだか2300円のこの本一冊を買う覚悟がない。一生サポートしてくれそうなこの本を、もし買ってしまったとして、そしてもし着物を着るのを辞めちゃったとしたら、この本を裏切るようで、それが怖いんです。


 なんでかなあ・・・? でもそういう本て確かにあるんです。経験があるからこそ、「これはヤバそう」って分かる。

 たとえばスペイン語の中級文法書。分からないことだらけだった初心者の頃、知りたいことがどこにも載っていなくてイライラし、でもそのたびに図書館でこの本に助けられ、6000円くらいしたのですが、どうしても手元に置きたくて買ってしまいました。

 ところが今は、この本が重いんです。どこまでもスペイン語を極めなくてはならないような気がして辛い。困ったとき、いつも助けてくれるその親切が、重い。その完璧さが、重い。母の愛のような、その包容力が重い。

 多少の偏りや難点がある本のほうがわたしには付き合いやすいようで、たとえば語数の少ない辞書。調べても載っていない言葉があったりして、そういうときは別の辞書で調べて書き足したり、そういう辞書のほうが気楽に付き合える。

 使うだけ使い、ある日飽きたら「やっぱスペイン語やめたわ。はい、さいなら」って気軽に言えそうな気がして気がラクなんです。



 笹島先生のこの本も、中級スペイン語文法の二の舞になりそうな気がして怖い。

 それでも欲しくて、つい買ってしまいそうな自分が怖い。

 そうやって、どんどん着物から足抜けできなくなっていく自分が怖いのです。



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