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「きものであそぼ text book」 遠藤瓔子

 申し訳ないけど、どうしても好きになれない本です。


きものであそぼText Book―疑問と悩みをまとめて解決!
きものであそぼText Book―疑問と悩みをまとめて解決!

(2003/05)
遠藤 瓔子


 この本から学んだことは多かったし、着付けや着物のお手入れのコツなど、他の本にはないこともたくさん書かれていて、とても役立つ本ではありました。

 でも、どうしても好きになれない。なぜかというと、読んでいてとても傷ついたからです。


 出だしは素晴らしかったんです。第一章「決まりごとなんて怖くない」を読んだときは、これこそわたしの求めていた本だ、と思いました。

決まりごとは、「方便でできたもの」「時代も環境も変われば変わってゆくもの」と心得て、何をどう着ればいいのか、なによりもまず、自分の頭で考えて欲しいのです。便利さになれて考える努力まで捨ててしまっては、いつまでたっても着物上手にはなれません。この後、一応は昔の習慣を述べますが、それはあくまで参考にとどめてください。(p.16)

これを読んだときにはもう本当に感動して、「ほんとにそうだ、わたしも自分の感覚を信じて、自分の頭で考えよう」と思いました。




 でも、ワクワクしながら、読み進めたら、次章以降は、

ダメです(p.75)
野暮ったいです(p.33)
滑稽です(p.21)
センスを疑ってしまいます(p.21)
思わず『だっさーい』とつぶやいてしまう(p.58)

といった文言が目白押し。自分の頭で考えるのが怖くなりました。

布の雰囲気で分かるはずです(p.32)

「分かるはず」のことが分からないから、初心者は不安なのです。

こういうこと、常識やセンスで判断できると思っていたんですが、真面目に聞いてくる人もいる(p.76)

こう書かれては、分からないことを人に尋ねることすらできなくなる。


 極めつけがコレ:

もしそんなこと(※ 披露宴に相応しい着物)も判断できないようなら、着物以外のことでも場違いをやってのけているに違いありません。こういうのを「場面を読む」と言いますが、その能力のない人は、恥をかきながら「恥をかかない術」を身につけていってください。(p.36)

 なぜ着物の世界の常識を知らないだけで、他の世界でも非常識呼ばわりされなくてはならないのでしょうか。場の雰囲気を読むというのは、経験があってこそできることで、いきなり知らない世界で、場の雰囲気を読め、というのは無理な話だと思うのですが。

 第一、「自分で恥をかきながら身につけろ」とおっしゃるのなら、この本を読む意味は一体どこにあるのでしょうか。



 この本は「マニュアルに従うこと」を否定するけれど、マナーや常識やセンスやTPOには、ものすごくうるさく、あれもダメ、これもダサいのオンパレード。自分の頭で考えさせた挙句、ダメ出しするのなら、最初から「決まりごと」として押し付けてくれたほうが、よっぽど親切です。

 リアルの知り合いにも一人、「いいのよ、着物だって好きなように着れば」とニッコリし、次の瞬間「ま、相当ヘンだけど」とつぶやき、また次の瞬間ニッコリして「でももちろん、いいのよ、あなたさえ良ければ」と言う人がいますが、この本も、その人に似ている気がします。

 その人にも、この本を書いた方にも初心者の時期があったはず。なのに、その頃の痛みはもう全く覚えていないのでしょうか。




 もしこの先もずっと着物を着続けたら、いつかわたしも初心者ではなくなる日がくるでしょう。

 でもそうなっても、わたしは、今の痛みを忘れたくないと思う。

 だからここにこうして書いておきます。自分も誰かを同じような言葉で傷つけたりしないように。





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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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