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着物の賞味期限

娘の成人式についてあれこれ調べ物をしていたとき、ヤフーの知恵袋がよくひっかかってきました。

知りたいけど分からないことって、あんがい共通しているのですね。わたしが知りたいようなことはすべて、すでに誰かが質問していて、それに対する明確な答えも得られ、とても助かりました。




けれど、調べる過程ではいつも、知るつもりのなかった情報まで知ることになりました。だいたい、一つのことを調べると、9のオマケがついてくる。その中には、いずれは知りたくなるであろう有益な情報もあれば、知らないほうが幸せだったかも、と思えるようなこともありました。

知らないほうが幸せだったかも、と思えることとは、「世間の目」です。

たとえば。

振袖は未婚の女性が着るものだということになってはいますが、晩婚化が進んだ今、未婚だったとして、じゃあ何歳くらいまでなら振袖が着られるのかという議論に何度か出くわしました。

私自身は、そういうことについて今まで考えたこともありませんでしたが、しいて言えば、着る本人が着たいと思えばいつまででもいいと思う。知り合いの顔を思い浮かべてみても、30半ばくらいで、でもとてもその年齢には見えない、華やかで可愛らしいお嬢さんを何人も知っているし、そういう人たちに友達の結婚式に着ていく着物について相談されたら、わたしなら振袖を勧めるかな、と思う。

でも、知恵袋を読むと、中には25才でもう振袖はおかしいと思う人もいるのですね。そういう意見を読むと、なんだかとても息苦しくて、知らなければ良かった、と思いました。高価な振袖の賞味期限がたった5年というのも辛い話ですが、それ以上に、若さの賞味期限をつきつけられている気がしました。若さは年齢によってそんなにも厳密に輪切りにされなくてはならないものなのか、と。

振袖が着られる年齢なんて、中年で既婚のわたしには関係がないといえばないですが。でも、「○○才の振袖姿がおかしい」と思う人がいるということは、常に人の年齢を監視し、衣服との整合性をつぶさにチェックしている人がいる、ということ。そう考えると、わたしにだって大いに関係するわけです。ちょっと派手だったりすると、もう「あの人は・・・」と後ろ指を差されてしまうのかな、と。


たんすの中には、結婚前に親に作ってもらった着物があります。中にはまだ一度も袖を通していないものも。そういう着物はもう賞味期限切れなのかな、と思ったら、切なくなりました。

それは、娘たちのお気に召しそうにない個性的な柄の小紋で、まだしつけがついたまま。しかもよくよく見ると細かいシミが出ていて、自分で着る分には気にならない程度なものの、人さまにはお譲りできない。

もしこれがわたしには派手すぎるとなれば、もう着る人はいないわけです。そう思ったら切なくなりました。どうして今まで、まだ着られるうちに着なかったのだろう、と後悔しました。


でも、今回娘の成人式の着付けでお世話になる方が、打ち合わせにお邪魔した際、こんなことを言われました。

「着物って、洋服の地味派手とは違った感覚があってね。色柄が派手なら若い人向きかって、そんなこともないし、若い頃に似合った色柄は、年をとっても似合うから不思議なのよね」と。

それで思い切って、家にあった小紋を二枚ほど持っていき、見ていただきました。「これ、まだわたしに着られますか」って。

すると、「ええ、どちらも充分着られますよ」。

個性的な柄の黒っぽい小紋はともかく、白地に金糸の地模様の入った優しい花の飛び柄のほうは、さすがにもうわたしには可愛らしすぎるかな、と思っていたので、この言葉は意外でした。



そして、ご自身が着物道楽のその方は、こう続けられたのです。

「でもね、着物を着ようと思うなら、『今』しかないわよ。地味とか派手とかいう話じゃなく、たぶんあと10年したら、面倒くさくて、着物を着ようなんて思わなくなるから」



たぶん、その言葉が、今回の出発点だったと思います。

「着るなら今」。そう思ってこの3週間、毎日着付けの練習に励んできました。自分にしか着られない、手持ちの黒い小紋を着るために。

わたしにとって着たい「着物」とは、この小紋のことなのです。わたし用に仕立てられた、わたし以外に着てのいない、この着物が着たい。

もしかしたらここが出発点となって、将来、着物全般にハマることもあるかもしれませんが、とりあえず今は、この着物をなるべく何度も着ることが目標です。

道行コートも帯もその他の小物も、持っていないものはすべて、この着物にサイズや色やテイストを合わせて買いました。



そしてまずはお正月、この着物を着て出かけます。




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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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