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「十二か月のきもの」 中谷比佐子

 とにかくこの著者が好きだー、と思った本です。10年以上前に書かれた本ですが、まだ絶版ではないようで、本屋の店頭でも見かけます。

十二か月のきもの (おしゃれなきもの教室)
十二か月のきもの

(1999/09)
中谷 比佐子


 著者はもともとジャーナリスト。若い頃は着物には全く興味がなかったようですが、仕事で染織の取材に行った際、

「きもののことをアレコレ聞いていても、洋服着て聞いているんだもの。理解できんのじゃあないかね、あの女の人」

という自分への陰口を聞いてしまい、

「わかった! とにかく三六五日、毎日きものを着て過ごそう」

と一念発起。以来20年間、

あと一年、あと一年と、ついに二十年間の毎日をきもので過ごしていました。

という方です(「二十四節気ときもの」p.4より引用)。


 20年も前から毎日きものを着ていらっしゃる割には、初心者の辛さも覚えていらして、全体的に文章が謙虚なところに好感を持ちました。



 あと、知的。

 たとえば、なぜきものは左前で着ないのか。太古の昔から「左前は仏さんの着方」と決まっていると、バクゼンと思っている人が多いと思いますが、実は左前で着ていた時代もあり、古墳の壁画に残されているのだそうです。

養老ニ(七一八)年にできた『養老律令』の中に、「天下ノ百姓皆右衿ノコト」と。藤原不比等たち、当時の支配階級の人たちが、中央集権国家の確立を早くするためきものを利用し、その衿合わせの右、左で支配階級、非支配階級を決めた名残が、「左前はいけない」だったのです。


 こういうことを、別の本からの受け売りではなく、奈良時代の資料をご自身で読み漁って調べていらっしゃる。信頼できる感じがしました。




 「十二か月のきもの」という題名どおり、この本の内容は「どんな時期に何を着るか」がメインです。ただ、決して一般的とはいえません。

 たとえば、春単衣は立夏(5月6日頃)から、秋単衣は白露(9月8日頃)からで、「年によっては10月20日くらいまで単衣を着ていることがあります(p.52)」と書かれています。

 著者の別の本「二十四節気ときもの」(p.6)には、

そして「立秋」になると、空気ひんやりしてきて紗とか麻のきものが冷たく感じられるようになり、「立冬」ではじめて全国的に袷という感触。

というのだから、すごい。ちなみに立秋は8月8日頃、立冬は11月8日頃です。

 ご多分にもれず、この本にも「何月に何を着るか表」が巻末についていて、それを見ると、これを守らなくちゃいけないのかな?と思いがちですが、文中には、たとえば8月の項に、

帯芯入りの名古屋帯には、しばらく夏休みを。


でも絶対にダメッという決まりはなく、冷房のきいたところで内臓を冷やしたくないと思えば、帯芯入りの帯でもいいのでは。


きもののコーディネートには、こうしなければならない、という強い決まりはないとわたしは思っています。着る人の体調、自然との折り合いの中で、バランスをとっていけばいいのではないでしょうか。


着ている人自身が心地よく、またその姿を眺める周囲の人たちも穏やかな気分でいることができる、それがきものの装い方の真髄だと思います。

とあります。

 まあそれならそれで、できるだけ「○○の場合は、★★にします」のように書かないでほしいな、と思うのですが(「○○の場合は、★★にしなくてはいけません」と読めてしまうので)、文章を簡潔にするためには仕方がないことなのかな・・・。



 著者のきもの姿写真も、後半のページに何枚か全身像が入っています。これがまた素敵。髪型ときものの色柄で、一人の人がこんなに違ってみえるんだ~!と分かり、楽しかったです。なんと、年齢まで違ってみえるんですね。

 お召しの色は、淡い鶯色、青、オレンジ、黒と様々ですが、どの色もそれぞれお似合い。「こういう色しか似合わない」と決める必要はなく、もしかして、纏う色によって、その人の個性の、違った部分が引き出されるのかも、なーんて思いました。





 以下の本も読みました。こちらのほうが10年新しいからか、コーディネートが現代的^^。二十四節気というのは、旧暦の月名を、ズレを調整して新暦に置き換えたもののようですね(ウィキペディア参照)。

二十四節気ときもの
二十四節気ときもの

(2009/05/22)
中谷 比佐子

 一年を24に分け、それぞれの時期について、説明と、コーディネート写真があります。着物はシンプル、帯には季節感があり、とても素敵。本の前半はオールカラーで華やかですが、後半はモノクロで、細かい文字がビッシリ。真面目に読むといいことあるかも・・・と思いつつ、ちょっと億劫・・・。そのうちヒマになったら読んでみようと思います。



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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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