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世代の感覚

 先日、大学の父母会に着物を着ていったときのこと、会の前後、他のお母さんたちとごく普通に会話しました。着物を着ているからって、別に褒められもしなければ、避けられもしなかった。ごくごく普通でした。



 でもそのあと、娘の部活動の様子を見たいと思い、テニスコートのフェンスに張り付いていたら、若者にとってはそれが相当奇異に思えたらしく、あとで友達から質問攻めにされたと、下の娘に言われました。

 「お母さん、何で着物着ているの? まさか、普段から着てるってわけじゃないよね? 結婚式でもあったの? ・・・てか、なんでお母さんが大学に来てるの?」etc. 

 何で母親が大学に来てるかって、それは父母会があったからですが、娘がそう答えると、みな「へー、そうなんだ、そんなのあったんだ」という反応(笑)。

 挙句、「うちの母親は最近着物にハマっていて、割といつも着物を着てる」と娘が答えると、みな口を揃えて「さすが・・・!!」と言うのだそう。

 なにがどう「さすが」なんだかは分かりませんが、娘の感触によれば、「着物=金持ち」もしくは「着物=旧家」と思われたかも、とのこと。この話をきいて、親の世代と、子の世代の、着物に対する反応の差を感じました。

 まあ娘のクラブ仲間はほとんど男子ばかり。これが女の子ならまた違うかな、と思いますが。坊ちゃま方は、全国津々浦々から全学の約4分の1の父兄が集まった父母会の存在にさえ気付いておられない。まして母親のタンスに着物が何枚も眠っていようとは、ゆめゆめご存知ないのでしょう。




 今から30年くらい前、わたしが大学生だった頃、着物が高価だというイメージはありませんでした。「高価な着物ある」程度。毎日着物着て、割ぽう着で家事をするお母さんも、稀というほどではなかった。

 わたしの家は父方も母方も東京出身で、戦前の着物は空襲で焼けたか食べ物と交換したかで一枚も残っておらず、それが普通かと思っていましたが、大学に入って知り合った地方出身の友達の中には、「おじいちゃんちの蔵には、戦前の骨董品やガラクタに混じって、数え切れないほどの着物が眠っている」という子がけっこういました。もしどこかで処分されていなければ、その着物は今もそっくりそのまま、そこにあるはずです。

 娘を東京に出して一人暮らしさせる余裕があるのだから、彼女たちの家は決して貧しい部類ではなかったでしょうが、でもじゃあ特別裕福な家だったかって、そういうこともないと思います。



 またわたしの世代は、結婚する際、親に着物を誂えてもらったおそらく最後の世代。普通の家の娘でも、結婚を機会に小紋や訪問着、或いは留袖を誂えるのがまだ普通でした。

 特に華やかなことが好きな地方では、ガラス張りのトラックに婚礼家具を積み、中身が見えるよう、タンスの引き出しを全部開けて、中にギッシリ着物が詰まっているところをご近所に見せて回る、なんて記事が、新聞をにぎわせた頃。

 つまりわたしの世代は、着物を着ずとも、持ってはいる。タンスを開ければ、着物はあるわけです。ただ着ないだけで。だから着物を着ている人を見ても、特に贅沢とも思わず、普通に接するのでしょう。




 でもこれが少し若い世代となると、どうでしょうか。今は振袖もレンタルが普通の時代。結婚の際に着物を誂える家は少ないでしょうし、そもそも結婚自体、しない傾向が強まっている。着物を誂えるタイミングがないのだから、「着物=高価」「着物=非日常」という感覚が、若い世代ほど強いのでは、と思います。

 わたし自身、最近まで、着物に対し、そんな印象を持っていました。

 でもよく考えると、それは最近になって植えつけられた、若い世代からの受け売りかも?? 他のことはともかく、こと服飾に関する影響はボトムアップの傾向が強いので。

 わたしはよく、外出時に何を着ていくべきか、娘たちにアドバイスを求めます。若い人のほうが、ファッションに敏感な分、自分よりセンスが良い気がするからです。ことほど左様に、ファッションに関しては、年上が年下に与える影響より、年下が年上に与える影響のほうが強いと思うのです。




 でも今回は「親同士の交流をしたいなら、着物は避けるべき」と言う上の娘の意見を取り入れず、一理あると思いつつも、自分の感覚で着物を着て行ってよかったと思っています。

 「着物だときっと、避けられると思う」という娘の予想は見事に外れた。それは、周囲がわたしと同世代だったからだと思います。


 ことファッションに関して、なんとなく自分の世代の感覚は時代遅れな気がして、つい若い人に右へ倣えしてしまいがちですが、自分の世代の感覚も、けっこう当てになるな、と思った一幕でした。


 

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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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