ずっと初心者でいいかも

 着物初心者の辛さは、「着物の世界」と「世間一般」の狭間にいる辛さ。これまで、はやく初心者から脱却して、この辛さから抜け出したいと思ってきました。



 でもなんか、最近思うんですよねえ・・・。

 一生、着物初心者でいいかも・・・、って。



 初心者の辛さは、二つの世界で揺れ動く辛さ。着物を是と思い込めない辛さです。

 結婚式でもない日に着物を着ること自体、一般世間から見たらすでに「アブナイ人」の域なのでは?とささやくもう一人の自分がいる辛さ。

 頭の隅では自分でも、「何やってんだ~? アタシ」って思ってるから、人の目が怖いんでしょうね。自分でも割り切れていないから人の目が気になる。

 一言で言っちゃうと、気恥ずかしいんです。着物を着ている自分が。


 そして、それはきっと、着慣れていないからであり、場数を踏んで、自分の中で着物を着ることが当たり前になれば、そういう迷いは徐々に晴れていくのでは?と思ってました。




 でも。最近ちょっと思いました。

 もしこうした迷い、辛さを感じなくなったら、それはそれで怖いな、と。




 先日、お祭りに、夫と一緒に浴衣を着て行ったときのこと。いくらなんでも、もう少し浴衣を着ている人がいるのでは?と想像していました。男性はともかく、女性は少しは着ていると思っていた。このときばかりは人の目を気にせず、堂々と着られる!と思っていました。

 ところが実際、街に出てみたら、成人男性の浴衣姿なんていやしない。女性ですら30歳以上の浴衣姿はほぼ皆無。浴衣というのは、ほぼ子どものためのものだった・・・。

 自分たちがいかに極端なマイノリティであるかを認識しました。とんでもなく異分子だった。

 もう、開き直るしかありませんでした。「いい年して夫婦で浴衣コスプレしちゃいました~。テヘ☆」みたいな?(笑) 照れるほかはなかった。笑うしかなかった。堂々となんて着られないですよー。この状況で。

 だって現実問題、普通の人から見たら、この状況下で50代の夫婦が二人して浴衣着てるなんざ、どう見たってコスプレ以外の何物でもないですもん。・・・いや、コスプレを通り越して、ほとんどコントかも? その事実は、「いえ、わたしは毎日着物着てるんです。着物が日常着なんです~」と抗弁したところで変わるわけではないし、着慣れているかどうかも、あんまり関係なさそう。

 そしてそれは、常日頃も同じこと。着慣れようが、自分の中でどう決着をつけようが、世間的に見れば、コスプレであることに変わりはないんだ、って気付きました。だから照れや迷いを感じて当たり前。むしろ着物世界の論理しか見えなくなっちゃったら怖いな、って。

 自分にとっては、ちょっと照れながら着る、くらいがちょうどいい。ちょっと辛いくらいがちょうどいいかもしれないと。



 もっときれいに着られるようになりたいとか、もっといろいろ知りたいという気持ちは強く、そういう意味では初心者脱却を目指したいですが、気持ちの上では完全に達観してしまうことなく、今の迷いや照れを持ち続けようと思いました。


 すっかり着物が着慣れても、ときおり鏡の中にすまし顔の自分を見つけてニヤリとし、「何カッコつけてんだい」と悪態をつく。そんなおばあちゃんになりたいです。




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Author:うさぎ
50歳にして着物を着始めた、最初の一年間の日記です。 

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